フィンランドには無数の湖や島々があり、それらの形は水と陸地とのせめぎ合いの中で形作られた有機的なフォルムを生んだ。そんな形をガラス作品に採り入れたのがアルヴァ・アアルトのサヴォイ・ベースだ。因みにアアルトとはフィンランド語の「波」を意味する。このシリーズは1936年、カルフラ/イッタラ社により生産が始まった。この有機的な形態は木型に高温のガラスをマウスブロー技法によって吹き込み形成される。現在は金型にプレス加工で大量生産されているが、かつての木型を使ったものでは不等厚で表面にゆらぎを生む美しさがある。
今回の作品では6種類のサヴォイ・ベースの断面をモチーフとして採用。ティモ・サルパネヴァがデザインしたイッタラ社のマーク(吹き棒とガラスの種)をスタートに一筆書きとした。かつて現役の頃使用した製図用のペンが入手できず、使い捨てのペンで波の揺らぎを表現した。利き腕の指を3本骨折し変形した手によるフリーハンド描法のため完成までエスキースを含め約2か月間を要した。
サイズ:直径38 × 高さ44cm
仕様:バーチ/ラミネートにペン画
織田 憲嗣
椅子研究家
東海大学名誉教授
1946年高知県生まれ。大阪高島屋宣伝部入社。1979年独立。その後、椅子の研究室「CHAIRS?」を妹尾衣子氏とともに立ち上げる。
1994年椅子コレクションとともに北海道へ移住。北海道東海大学芸術工学部(当時)教授。特任教授を経て現職。北海道東川町文化芸術アドバイザー。