実用的なスツールとしては完璧なアルヴァ・アアルト STOOL 60 を、名脇役ではなく、主
役に仕立てたいと企てた。もし 1932 年のウィーン工房の閉鎖の前にアアルトが訪れ、ヨ
ーゼフ・ホフマンやコロマン・モーザ等と交流し、いわゆる「総合芸術」に感化されてい
たらなどと想像を逞しくして、ホフマンのアウガルテンの食器メロンのブラック&ホワイ
ト等のデザインを4本脚の STOOL 60 に応用した。座の円を4分割(Quadrant)して白
黒に塗り分け、4本の脚のストライプ模様に連続するようにしたので、見る角度で表情が
変わり、部材出隅アールの頂点を白黒で塗り分ける職人仕事のおかげで木の物質感が失わ
れ、見るものとしての魅力がまし、特にスタッキングすると、複雑な様相を呈してアート
感が高まるよう意図した。
サイズ:直径38 × 高さ44cm
仕様:バーチ/ラッカー塗装仕上
押野見 邦英
建築家
鹿島建設設計部長を経て横国大大学院、東工大や芝浦工大等で教育に関わる一方、k/o design studio にて建築やインテリアや家具を手がけ、グッドデザイン賞やベストオブイヤー賞等の国内外デザイン賞を受賞、最近の作品に洗足学園のシルバーマウンテン&レッドクリフやヒノキタワーのインテリアや家具のキュビストシーティングがある。